保育教諭 リーダー

自分が子育てを始めて実感した子どもへの深い愛情を持って肯定的に接する保育者の役割

保育者の仕事は、毎日が違い、子どもの表情が変わっていくところが楽しいです。

私は、できる、できないではなく、目に見えない部分に注目するように意識をしています。園には子どもたちの中にある「目に見えない部分」で溢れています。

例えば、友達が大繩で遊んでいる様子を遠目で見ている子どもがいるとします。

「きっとやってみたいけど、初めてだからみんなのようにできるか不安なんだろうな・・・」と想像できます。そんな時に、「先生と少しやってみる?」と声をかけ、みんなとは別の場所で2人きりで大繩に挑戦してみます。

数日が過ぎ、大繩に少し自信が持てるようになると今度は「お友達と一緒にやってみる?」と誘います。保育者が見守る中、友達と一緒に大繩を楽しむ姿がみられるようになります。

「大繩ができるようになる」というのは目に見えることです。でもそれ以上に注目したいのは、目に見えない子どもの心の動きです。大繩を初めて「やってみよう」と思えたこと、最初はうまくできなくても諦めず何度も繰り返し挑戦したこと、少しずつ自信となり今度は友達と一緒にやってみようと思えたこと・・・等沢山の心の成長が見られます。そしてそれらがまた自信に繋がり、他のことに挑戦する気持ちへと広がっていきます。

私たちは日々、表情やしぐさ、日ごろの様子等から個々の思いを汲み取り、一人一人に応じた対応を考え関わるよう努めています。

仕事と子育ての両立をしている保護者の悩み、感情、想いに寄り添える保育者でいたい

私は新卒で入職してからずっとこの園で働いていますが、穏やかでとても良い職場です。

子育てと仕事の両立はとても大変ですが、理事長をはじめ、職員の方々に支えられています。休みも優遇してくれるので本当に助かっています。1人目の育休明けからの2年間、大阪から通っており、その頃両立が難しく退職しようかどうか迷った時期がありました。我が子との時間をもっと大切にしたいという思いも強くなり、事情を理事長に伝えたところ、今は働ける範囲で働いたらいいよと言って下さりびっくりしました。正規採用でありながら、労働時間を固定せず、息子の幼稚園の降園時間や行事等に応じて臨機応変に働けるよう配慮してくださりました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。そして今は2回目の育休を頂き、2人の子育てに専念させていただいています。

子育ては保育の仕事と直結しています。親になり初めて感じた想いが沢山あります。何よりも、我が子は本当に、本当に可愛くかけがえのない存在です。その大切なお子様をお預かりする保育者は、一人ひとりの子どもに心から愛情を持ち、肯定的に接することが重要だとその役割の大きさを実感しました。保護者の方には、子どもたちが発した言葉やその時の状況を詳しく肯定的に伝えるようにしています。保護者の方との信頼関係を大切にすると共に、私自身の子育て中の喜びや悩み、経験等の全てを役立て、同じ想いを持つ保護者の方たちにより寄り添える保育者になりたいと思っています。

溢れ出る見えない部分やプロセスを重視して、子どもたちの表現したいことを大切にしていきたい

私はこの園に就職したときからお世話になっている前園長のような保育に近づきたいと思っています。私自身のこれまでの保育も、わが子の子育てもその先生の考え方が基本になっています。先にも挙げましたが、見えない心の成長を重視することや、結果ではなくそのプロセスを大切にすることは、前園長の影響を多分に受けています。

例えば、この園では、運動会のために何かを練習することはありません。普段子どもたちが楽しんでいる遊びを組み合わせて行っています。 予めセリフや台本がある劇遊び等の生活発表会もなく、参観日に保護者をお客さんとして招くお店屋さんごっこをしています。お店屋さんごっこの話題を投げかけると、子どもたちからやりたいお店が沢山あがります。その中から子どもたちと相談しながら5つくらいに絞り、自分がやりたいお店を選びます。最初は各々の経験の差等により、それぞれのお店のイメージが異なります。必要に応じて保育者が仲立ちしながら、子どもたちは何度も何度も話し合いを重ねます。またグループごとに実際のお店を見学したり定員さんに質問をしたりして、興味を深めながら一人一人のイメージを共有し発展していきます。そして、必要なもの、イメージしたものに適した素材、数、役割分担・・・等を子どもたちと共に考え、相談しながらお店を作り上げていきます。子どもの小さなつぶやきの中に大きなヒントが隠れていることも度々あります。一人一人の小さな気づきや想い、表現を見逃さず、みんなで共有していけるよう関わっています。子どもたちは日々、自分の思いを言葉にして伝えたり友達の意見を聞いたり時にはぶつかったりしながら、互いの違いや良いところを知り、認め合い、協力することの喜びや楽しさを感じていきます。それがまさに、目に見えない心の成長、プロセスだと考えています。

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